軽自動車の購入を検討しているあなたにとって、「加速性能」は気になるポイントの一つではありませんか?
「坂道でスムーズに加速できるのかな?」
「高速道路で力不足を感じないかな?」
といった不安をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんね。特に初めて軽自動車を買う方や、買ってから後悔したくないという気持ちはよくわかります。
この記事では、そんなあなたの悩みを解決するために、軽自動車の加速性能を判断する上で非常に重要な「パワーウェイトレシオ」という指標について、徹底的に解説していきます。
この記事でわかること
- パワーウェイトレシオとは?数値で見る軽自動車の性能指標を詳しく解説
- パワーウェイトレシオが小さい順で見る軽自動車ベスト5
- あなたが乗る軽自動車のパワーウェイトレシオは?代表的車種を徹底比較
- NAエンジンでも走りが熱い!軽量ボディの速い軽自動車ベスト3
- 意外と鈍足?パワーウェイトレシオが大きく鈍足な軽自動車5選
パワーウェイトレシオの基本的な考え方から、具体的な数値の見方、そして実際に加速性能に優れた軽自動車や、逆に注意が必要な車種まで、幅広くご紹介します。
この記事を読み終える頃には、あなたはもう「なんとなく」で軽自動車を選ぶことはないでしょう。
自信を持って、あなたのカーライフにぴったりの軽自動車を見つけるための知識が手に入ります。
ぜひ最後まで読み進めて、後悔しない一台選びのヒントを見つけてくださいね。
パワーウェイトレシオとは?数値で見る軽自動車の性能指標を詳しく解説

軽自動車&バイクのある暮らし・イメージ
軽自動車の加速性能を語る上で、避けては通れないのが「パワーウェイトレシオ」という指標です。
これは車の性能を客観的に評価する上で非常に重要な数値で、車の「速さ」を判断する際に役立ちます。
パワーウェイトレシオとは、その名の通り「パワー(馬力)」と「ウェイト(車重)」の比率を示す数値のことです。
具体的には、「車重(kg)を最高出力(ps)で割った値」で計算されます。
パワーウェイトレシオ=最高出力(ps)÷車重(kg)
この数値が示すのは、「1馬力あたり何kgの車重を動かす必要があるか」ということです。
たとえば、車重が1,000kgで最高出力が100psの車の場合、パワーウェイトレシオは 1000÷100=10kg/ps となります。
一方、車重が800kgで最高出力が100psの車なら、パワーウェイトレシオは 800÷100=8kg/ps です。
この例からもわかるように、数値が小さいほど、1馬力あたりで動かす車重が少ないため、その車はより軽快に、そして速く加速できるということになります。
単に「馬力があるから速い」というわけではなく、車重とのバランスが非常に大切だということを理解しておきましょう。
特に軽自動車は、排気量や最高出力に上限が設けられているため、車重が加速性能に与える影響は普通車以上に大きいと言えます。
パワーウェイトレシオが軽自動車の加速性能に与える影響とは?
パワーウェイトレシオは、軽自動車の「加速性能」に直接的に影響を与える指標です。
なぜなら、車の加速はエンジンの最高出力だけで決まるものではなく、その出力を受け止める「車体の重さ」と密接に関わっているからです。
想像してみてください。同じ馬力のエンジンを搭載した車でも、片方が重いトラック、もう片方が軽いスポーツカーだったら、どちらが速く加速するでしょうか?
もちろん、軽いスポーツカーですよね。これは、軽い車の方がエンジンが出したパワーを効率よく加速に変換できるためです。
軽自動車の場合、エンジンの最高出力は法律で64psに制限されています。
この制限がある中で、より軽快な加速を実現するには、いかに車重を軽くするかが重要になります。
つまり、パワーウェイトレシオを小さくするためには、「最高出力を上げる」か「車重を軽くする」という2つのアプローチがあるわけですが、軽自動車においては後者の「車重を軽くする」ことが、加速性能を向上させる上で非常に大きな意味を持つことになります。
特に、信号待ちからの発進や、高速道路の合流、坂道での追い越しなど、瞬時に加速力が求められる場面では、このパワーウェイトレシオの数値がドライバーの感覚に大きく影響してきます。
加速性能が良い軽自動車は、ストレスなく快適な走行が期待できるでしょう。
数値が小さいクルマほど速い?指標の見方を解説
パワーウェイトレシオは、数値が小さいほど加速性能に優れているとされています。
では、具体的にどのくらいの数値を目指せば良いのでしょうか?
一般的に、パワーウェイトレシオが10kg/psを切ると、かなりキビキビとした加速感を味わえると言われています。
特に軽自動車の場合、64psという最高出力の制約がある中で、車重が軽いモデルはこの数値を達成しやすい傾向にあります。
例えば、車重が800kgの軽自動車で最高出力が64ps(ターボ車)の場合、パワーウェイトレシオは約 800÷64=12.5kg/ps となります。
NA(自然吸気)エンジンで最高出力が50ps程度の車重800kgの軽自動車だと、パワーウェイトレシオは 800÷50=16kg/ps となり、加速性能の差が数値として明確に表れます。
この数値はあくまで目安であり、体感的な速さはエンジンのトルク特性やミッションとの相性、さらにタイヤの種類や車の空力性能によっても変わります。
しかし、比較対象が同じ軽自動車であるならば、パワーウェイトレシオは非常に信頼性の高い指標となります。
例えば、カタログなどで気になる軽自動車を見つけたら、まずは車重と最高出力を確認し、パワーウェイトレシオを計算してみることをおすすめします。
この一手間で、その車の加速性能がおおよそ想像できるようになるでしょう。
一般的な普通車と比べて軽自動車は数値的に不利なのか
「軽自動車のパワーウェイトレシオは、普通車と比べて不利なんじゃないの?」
そう感じる方もいるかもしれませんね。
結論から言うと、絶対的な数値だけで見れば、軽自動車は普通車に比べてパワーウェイトレシオの数値が大きくなる傾向にあり、不利と言える側面はあります。
その理由は、軽自動車の規格にあります。
軽自動車は、排気量660cc以下、最高出力64ps以下という制限が設けられています。
一方、普通車にはこのような明確な出力制限はありません。
例えば、コンパクトカーでも100ps以上の出力を持つモデルは珍しくなく、車重が1トン程度の車であれば、パワーウェイトレシオは10kg/ps以下になることも多々あります。
軽自動車のターボモデル(64ps)で車重が850kgだとすると、パワーウェイトレシオは約 850÷64=13.3kg/ps です。
NA(自然吸気)エンジン車(50ps程度)で車重850kgなら 850÷50=17kg/ps にもなります。
これに対し、普通車のスポーツモデルなどでは、パワーウェイトレシオが5kg/psを切るような車も存在します。
しかし、これはあくまで「絶対的な加速性能」を比較した場合の話です。
軽自動車には、税金や維持費の安さ、狭い道での取り回しの良さ、駐車のしやすさなど、普通車にはない多くのメリットがあります。
また、街乗りや短距離移動がメインであれば、軽自動車の加速性能でも十分に満足できる場合がほとんどです。
パワーウェイトレシオを理解することは大切ですが、軽自動車の特性や用途を考慮した上で、総合的に判断することが重要です。
パワーウェイトレシオが小さい順で見る軽自動車ベスト5

スズキ・アルトワークス公式より
ここからは、実際にパワーウェイトレシオが小さく、加速性能に優れる軽自動車をご紹介していきます。
「軽自動車でもキビキビ走りたい!」
「ストレスなくスムーズに加速する車が欲しい!」
とお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
加速性能の良さは、ドライバーにとって運転の楽しさや安心感に直結します。
特に合流や追い越しなど、とっさの加速が必要な場面では、パワーウェイトレシオが良好な車は大きなアドバンテージとなります。
ご紹介するモデルは、軽自動車の限られたパワーを最大限に活かし、車重とのバランスを徹底的に追求した車種ばかりです。
現行モデルから、少し前のモデルまで、幅広い視点からピックアップしました。
これらの車種は、数値上だけでなく、実際に乗ってみてもその加速性能の高さに驚かされることでしょう。
最強はどれだ?スズキ・ホンダ・ダイハツ等人気メーカーの数値一覧

ダイハツ・コペン公式
軽自動車の加速性能を考える上で、やはりターボモデルの存在は欠かせません。
ここでは、スズキ、ホンダ、ダイハツといった主要メーカーから、特にパワーウェイトレシオが良好な人気車種をピックアップし、その数値を比較してみましょう。
メーカー | 車種名 | 車重(kg) | 最高出力(ps) | パワーウェイトレシオ(kg/ps) | 備考 |
スズキ | アルトワークス(5MT) | 670 | 64 | 10.47 | 痛快な加速が魅力 |
ホンダ | S660(6MT) | 830 | 64 | 12.97 | ミッドシップスポーツ |
ダイハツ | コペン(5MT) | 850 | 64 | 13.28 | 電動ルーフオープン |
スズキ | ワゴンRスティングレー | 850 | 64 | 13.28 | 広い室内と両立 |
ホンダ | N-ONE RS(6MT) | 840 | 64 | 13.16 | デザインと走り |
(※上記数値はグレードや年式によって異なる場合があります。また、あくまで一般的な傾向を示すものです。)
この表を見ると、やはり「アルトワークス」の数値が際立っていることがわかります。
670kgという圧倒的な軽さが、64psのパワーを最大限に活かし、10.47kg/psという普通車顔負けの数値を叩き出しています。
「S660」や「コペン」といった軽スポーツカーも、車重とパワーのバランスが非常に優れているのが特徴です。
また、ワゴンRスティングレーや「N-ONE RS」といった日常使いに便利なハイトワゴンやセミトールタイプでも、ターボエンジンを搭載することで、十分な加速性能を確保していることがわかります。
これらの車種は、単に速いだけでなく、それぞれの個性が光るモデルばかりです。
あなたのライフスタイルや好みに合わせて、ぜひ実際に試乗して、その加速感を体感してみてはいかがでしょうか。
あなたが乗る軽自動車のパワーウェイトレシオは?代表的車種を徹底比較

スズキ・スペーシア カスタム公式
ここまでパワーウェイトレシオの重要性について解説してきましたが、では、現在あなたが乗っている軽自動車や、購入を検討している人気の軽自動車のパワーウェイトレシオはどのくらいなのでしょうか?
ここでは、特に需要の高い軽ハイトワゴンと、軽スポーツカーの代表的なモデルをピックアップし、その数値を比較検証していきます。
この比較を通して、あなたの軽自動車が持つ「走りの特性」を数値から理解したり、これから購入する軽自動車があなたの求める加速性能を満たしているかを確認したりする手助けになれば幸いです。
同じ車種でも、NA(自然吸気)エンジンとターボエンジンでは、パワーウェイトレシオが大きく異なりますので、その点にも注目しながら見ていきましょう。
人気の軽ハイトワゴンNBOXとスペーシアの数値を徹底調査
軽自動車の中でも特に人気が高いのが、広い室内空間と使い勝手の良さが魅力の軽ハイトワゴンです。
その中でも代表的な存在であるホンダ「N-BOX」とスズキ「スペーシア」のパワーウェイトレシオを比較してみましょう。
これらの車種は、日常使いでの快適性を重視しているため、車重はセダンタイプに比べて重くなる傾向があります。
メーカー | 車種名 | エンジンタイプ | 車重(kg) | 最高出力(ps) | パワーウェイトレシオ(kg/ps) |
ホンダ | N-BOX | NA | 910 | 58 | 15.69 |
ホンダ | N-BOX カスタム | ターボ | 940 | 64 | 14.69 |
スズキ | スペーシア | NA | 850 | 49 | 17.35 |
スズキ | スペーシア カスタム | ターボ | 910 | 64 | 14.22 |
(※上記数値は代表的なグレードのものです。年式や装備によって変動する場合があります。)
この表からわかるように、同じ「N-BOX」や「スペーシア」でも、NAエンジンとターボエンジンではパワーウェイトレシオに明確な差があります。
ターボモデルはNAモデルに比べて約1〜2kg/psほど数値が小さく、これは加速性能の面で大きなアドバンテージとなります。
例えば、N-BOXのNAモデルは街乗りでは十分な加速感ですが、坂道や高速道路での合流では「もう少し力強さが欲しい」と感じる場面があるかもしれません。
一方でターボモデルは、そういった場面でもスムーズな加速を提供し、ストレスを軽減してくれます。
スペーシアも同様で、ターボモデルの方がより余裕のある走りを期待できます。
燃費や車両価格とのバランスも考慮しつつ、ご自身の使い方に合ったエンジンタイプを選ぶことが、後悔しない軽自動車選びのポイントになりますね。
軽スポーツカーの代表S660やコペンの実力を数値で比べてみた
軽自動車の中でも、「走り」に特化した軽スポーツカーは、そのパワーウェイトレシオにおいて非常に優れた数値を示します。
ここでは、ホンダ S660とダイハツ コペンという、現在の軽スポーツカーの代表的な存在の実力を数値で比べてみましょう。
メーカー | 車種名 | エンジンタイプ | 車重(kg) | 最高出力(ps) | パワーウェイトレシオ(kg/ps) | 備考 |
ホンダ | S660 | ターボ | 830 | 64 | 12.97 | ミッドシップ |
ダイハツ | コペン | ターボ | 850 | 64 | 13.28 | 電動ハードトップ |
(※上記数値は代表的なグレードのものです。MT/CVT、年式や装備によって変動する場合があります。)
両車とも、最高出力は軽自動車規格上限の64psですが、注目すべきはその車重です。
800kg台前半という軽さにより、パワーウェイトレシオは13kg/ps前後という優秀な数値となっています。
これは、一般的な軽ハイトワゴンのNAモデルが15〜17kg/psであることを考えると、その差は歴然です。
S660はミッドシップレイアウトによる理想的な前後重量配分が特徴で、加速時だけでなく、コーナリング時にも優れた安定性とトラクション性能を発揮します。
コペンは電動開閉式のハードトップを備えながらも、軽量化を追求しており、オープン走行時の爽快感とキビキビとした走りを両立しています。
両車ともに、絶対的な速さだけでなく、ドライバーと車の一体感を重視した設計がなされており、数値以上に「運転する楽しさ」を体感できるのが大きな魅力です。
スポーツ走行を楽しみたい方にとっては、このパワーウェイトレシオの数値は、まさにその車の「素性の良さ」を示していると言えるでしょう。
NAエンジンでも走りが熱い!軽量ボディの速い軽自動車ベスト3

軽自動車&バイクのある暮らし・イメージ
「軽自動車って、NA(自然吸気)エンジンだとやっぱり非力なんでしょ?」
そう思われがちですが、実はそうではありません。NAエンジンでも、車重が極めて軽いモデルであれば、意外なほどキビキビとした走りを楽しめる軽自動車が存在します。
これらの車は、ターボエンジンに比べて車両価格が安く、燃費も良い傾向があるため、維持費を抑えたい方にもおすすめです。
なぜNAエンジンでも速いと感じられるのでしょうか?
それは、やはり「パワーウェイトレシオ」の数値が重要になってきます。
エンジンの最高出力が50ps程度だとしても、車重が極端に軽ければ、1馬力あたりで動かす車重が少なくなり、結果的に良好な加速性能を実現できるのです。
ここでは、「必要十分な走り」をNAエンジンで実現している、軽量ボディの速い軽自動車を3車種ご紹介します。
これらのモデルは、現代の安全装備や快適装備が充実した軽自動車に比べると、シンプルでミニマムな造りになっていることも多く、それゆえの軽量化が加速性能に貢献しています。
今だからこそ中古で楽しみたい、パワーウェイトレシオ良好なNA軽モデル
現代の軽自動車は、居住性や安全性の向上に伴い、どうしても車重が増加する傾向にあります。
しかし、少し前のモデルに目を向けると、徹底した軽量化が図られたNA軽自動車が数多く存在します。
これらは中古車市場でも手頃な価格で見つけることができ、コストを抑えつつ軽快な走りを楽しみたい方には狙い目です。
メーカー | 車種名 | エンジンタイプ | 車重(kg) | 最高出力(ps) | パワーウェイトレシオ(kg/ps) |
スズキ | アルト バン(HA23V型) | NA | 630 | 54 | 11.67 |
ダイハツ | エッセ(L235S型) | NA | 710 | 58 | 12.24 |
ホンダ | トゥデイ(JA4型) | NA | 680 | 58 | 11.72 |
(※上記数値は代表的なグレードのものです。年式や装備によって変動する場合があります。)
これらの車種は、いずれも車重が軽く、NAエンジンながらもパワーウェイトレシオが11kg/ps台から12kg/ps台と、現代のターボ車にも匹敵する数値を示しています。
特に、商用バンベースのアルト(HA23V型)は630kgという驚異的な軽さを誇り、NAエンジンでも活発な走りを体感できます。
エッセは、そのシンプルな設計と軽量ボディが特徴で、街乗りでの取り回しの良さと相まって、小気味良い走りが魅力です。
トゥデイもまた、シンプルながらもホンダらしい軽快な走りが楽しめる一台です。
これらは中古車市場で価格がこなれており、セカンドカーや普段使いの足として、シンプルで軽快な軽自動車を求める方には非常におすすめできるモデルと言えるでしょう。
ホンダ ビートはなぜパワーウェイトレシオで高評価なのか

ホンダ・BEAT公式
軽自動車の歴史に名を刻む名車、ホンダ「BEAT」。
1991年に登場したこのオープン2シータースポーツカーは、現代においてもその走りの評価は非常に高く、中古車市場でも根強い人気を誇っています。
ビートがパワーウェイトレシオで高評価を受ける理由は、その徹底した軽量化と、エンジンの特性にあります。
ビートの車重は、わずか760kg(MT車)。これは現代の軽自動車と比べても驚くべき軽さです。
そして、エンジンは自然吸気のE07A型直列3気筒エンジンを搭載。最高出力は軽自動車規格いっぱいの64psでしたが、特徴はその高回転型であること。
9,000rpmという高回転まで気持ちよく吹け上がり、NAエンジンながらもリニアで力強い加速感を味わうことができました。
この760kgという軽量ボディに64psのエンジンを組み合わせることで、ビートのパワーウェイトレシオは 760÷64=11.88kg/ps となります。
これは、先ほど紹介した現代の軽スポーツカーであるS660(12.97kg/ps)やコペン(13.28kg/ps)よりも優れた数値です。
さらに、ビートはミッドシップエンジン・リアドライブ(MR)という、スポーツカーとしては理想的な駆動方式を採用。
これにより、加速時のトラクション性能に優れ、エンジンのパワーを効率よく路面に伝えることができました。
軽量ボディと高回転型NAエンジン、そしてMRレイアウト。これら全てが相まって、ホンダ ビートは数値以上に「速く、そして楽しい」という評価を得ているのです。
意外と鈍足?パワーウェイトレシオが大きく鈍足な軽自動車5選

ホンダ・N-BOX公式
ここまで加速性能に優れる軽自動車をご紹介してきましたが、中には「思ったより加速しないな…」と感じる軽自動車も存在します。
そういった車種は、往々にしてパワーウェイトレシオの数値が大きい傾向にあります。
特に、購入を検討する際には、カタログスペックの馬力だけでなく、車重とのバランスをしっかり確認することが重要です。
なぜ「鈍足」に感じるのでしょうか?それは、現代の軽自動車が、広い室内空間や高い安全性、快適装備の充実を追求した結果、どうしても車重が重くなりがちだからです。
特に、軽ハイトワゴンやスーパーハイトワゴンと呼ばれる背の高い軽自動車は、その傾向が顕著です。
車重が増加すると、同じ最高出力のエンジンを搭載していても、パワーウェイトレシオの数値が大きくなり、加速性能は鈍くなります。
ここでは、「買う前に要注意!」として、走りに期待できない、つまりパワーウェイトレシオが大きく、加速性能が鈍いと感じやすい軽自動車を5車種ご紹介します。
もちろん、これらの車種にも優れた点はたくさんありますが、「加速性能」という点に絞って見た場合の注意点として参考にしてください。
買う前に要注意!走りに期待できない重量級軽自動車ワースト5
軽自動車の購入を検討する際、「広い室内がいい」「安全装備を充実させたい」といった希望は当然あるでしょう。
しかし、それらの要素は往々にして車重の増加に繋がり、結果として加速性能に影響を及ぼします。
ここでは、特に車重が重く、NA(自然吸気)エンジンとの組み合わせでパワーウェイトレシオが大きくなりがちな車種を例として挙げます。
メーカー | 車種名 | エンジンタイプ | 車重(kg) | 最高出力(ps) | パワーウェイトレシオ(kg/ps) | 備考 |
ホンダ | N-BOX | NA | 910 | 58 | 15.69 | |
ダイハツ | タント | NA | 880 | 52 | 16.92 | |
スズキ | スペーシア | NA | 850 | 49 | 17.35 | |
三菱 | デリカミニ | NA | 970 | 52 | 18.65 | 最重量級 |
日産 | ルークス | NA | 950 | 52 | 18.27 |
(※上記数値は代表的なグレードのものです。年式や装備によって変動する場合があります。)
これらの車種は、広い室内空間や後席スライドドアなど、非常に便利な機能を備えているため、ファミリー層を中心に絶大な人気を誇っています。
しかし、その利便性と引き換えに、車重が重くなる傾向があります。
特にNAエンジンを搭載したモデルでは、パワーウェイトレシオが15kg/psを超えることが多く、中には17kg/ps、18kg/ps台に達する車種もあります。
このような数値の軽自動車は、平坦な一般道での街乗りであれば大きな問題はありませんが、以下のような場面では力不足を感じる可能性があります。
- 坂道発進・登坂: 上り坂での加速や、停止からの再発進でパワー不足を感じやすい。
- 高速道路の合流・追い越し: 巡航からの加速や、車線変更時の加速でストレスを感じやすい。
- 多人数乗車時: 乗車人数が増えるとさらに車重が増し、加速性能が顕著に低下する。
もしこれらの車種の購入を検討していて、「加速性能」を重視したいのであれば、迷わずターボモデルを選ぶことを強くおすすめします。
車重が与える燃費や加速性能への影響を詳しくチェック
車の「車重」は、パワーウェイトレシオを通じて加速性能に影響を与えるだけでなく、燃費にも大きな影響を与えます。
一般的に、車重が重いほど燃費は悪くなる傾向にあります。
車を動かすためには、その重さに打ち勝つ力が必要です。車重が重ければ重いほど、エンジンはより大きな力を出して車を動かさなければなりません。
特に、発進時や加速時には、重い車体を動かすために多くの燃料を消費します。
また、一度動き出した車を止める際にも、重い車体ほど慣性が大きくなるため、より強力なブレーキが必要となり、その過程で失われるエネルギーも大きくなります。
これらの要因が複合的に作用し、車重の重い車は燃費が悪化するのです。
【車重が重いことによる影響まとめ】
- 加速性能の低下: パワーウェイトレシオが悪化し、発進や加速が鈍くなる。特にNAエンジンでは顕著。
- 燃費の悪化: 車体を動かすためのエネルギーが多く必要となり、燃料消費量が増える。
- ブレーキ性能への影響: 制動距離が長くなる傾向があり、タイヤやブレーキパッドの消耗も早まる可能性がある。
- タイヤへの負担増: 車重を支えるタイヤへの負担が大きくなり、摩耗が早まることも。
もちろん、車重が重いことにはメリットもあります。
一般的には、重い車ほど車体の剛性が高く、衝突安全性に優れている傾向があります。
また、静粛性や乗り心地も、車重がある程度ある方が有利な場合が多いです。
もしあなたが軽自動車の加速性能や燃費を重視するのであれば、購入前に必ず車重をチェックし、NAエンジンであれば特に注意して、ターボモデルも選択肢に入れることを検討してください。
まとめ:パワーウェイトレシオを参考に軽自動車を選ぶ際のポイントまとめ

軽自動車&バイクのある暮らし・イメージ
この記事では、軽自動車の加速性能を測る上で非常に重要な指標である「パワーウェイトレシオ」について、その定義から実際の車種ごとの比較まで、詳しく解説してきました。
パワーウェイトレシオとは「車重(kg)を最高出力(ps)で割った値」であり、数値が小さいほど加速性能に優れることを示します。
軽自動車は最高出力が64psに制限されているため、いかに車重を軽くするかが加速性能のカギとなります。
【あなたに合った軽自動車を見つけるためのポイント】
- 「速さ」を求めるならターボモデルを検討
- NAエンジンでも軽量モデルは侮れない
- 使用目的とライフスタイルを考慮する
- 試乗で体感を確かめる
加速性能最優先ならば、アルトワークス、S660、コペンなど、パワーウェイトレシオ10〜13kg/ps台のスポーツモデルや軽量モデル。
広さと加速のバランスならば、 N-BOXターボ、スペーシアターボなど、パワーウェイトレシオ13〜15kg/ps台のハイトワゴンターボモデル。
街乗りメインで経済性重視ならば、 パワーウェイトレシオが多少大きくても、日常使いで問題ないNAハイトワゴンやセダンタイプ。
軽自動車選びは、単に「可愛い」「安い」だけで選ぶと後悔してしまうこともあります。
特に「走り」にこだわるのであれば、この記事で解説したパワーウェイトレシオという指標をぜひ参考にしてみてください。
あなたのカーライフにぴったりの、加速性能も納得の一台を見つけることができるはずです。